頭の中で自分の心臓の音が警鐘のようにがんがん鳴り響いて聞こえる。
身体中が熱を帯びてるのに、ほんのちょっと触れ合ってるだけの唇が一番熱い。
俺の腕を掴んでるの細い指先が肌を引っ掻くから、の緊張が生々しいぐらいに俺に伝わってくる。
何で自分がこんなことしてるんだろうって、ワケが解らなくなって…それから断裂してた回路がばちんって繋がるように頭の中で情報が駆け巡った。




                      を語る細胞




門を潜って、階段を上りながら俺はブレザーのポケットから鍵を取り出した。
右手一本で鍵を開けて踵で靴を脱いで、重かった鞄とコンビニのビニール袋を玄関マットの上に放り出す。
キーホルダーだけ持って居間に向かい、壁についてるコントローラにライフガードっていうヤツを差し込む。面倒だけど、やらなきゃセコムが来ちゃうらしい。
これがすんで、やっと俺は家に帰ったーって気になる。
ポケットに鍵を戻して、そのブレザーをソファにぶん投げると俺は風呂場に向かう。
でも廊下に出た所で携帯の三和音が鳴り出した。しょうがねーからネクタイを緩めながら居間に引き返して、ブレザーから電話を出す。着信を見たら、だった。
は向かいに住んでいる。家は両親共働きだから、にとっちゃ電気が点いたから俺が帰ってきたサインらしい。
『一馬ちゃ〜ん、おかえり〜』
「おう、タダイマ」
ついでにネクタイもソファに投げ捨てると、俺は再び廊下に出た。
『あ〜のね〜、今日はコロッケ作ったの〜。カボチャコロッケ〜』
「マジ?喰う喰う、持ってきてよ」
玄関に置きっ放しにしておいたデカイ鞄のストラップを掴んで、引きずりながら風呂場に移動する。
『あとね〜、一馬ちゃん、この前エビチリ〜とか云ってたから作ったんだけどね〜、なんかね〜、エビチリって云うよりも、エビの地獄焼みたいになっちゃった〜』
「何だよ、エビの地獄焼って、お前」
携帯を肩と耳で固定しながら、鞄の中の洗濯物を洗濯機に放り込む。ドイツ製だかの乾燥機つきのヤツだから、スイッチを入れれば後は勝手に洗ってくれる。それが済んだら、電話を手に持ち替えて俺は自分の服を脱ぎ始めた。
「だいたいお前、カボチャコロッケとエビチリなんて、取り合わせ変じゃねーか」
『ええ〜、だってあたしはコロッケ作りたかったし、食べたかったけど、一馬ちゃんがカボチャのコロッケ嫌いだったら困るから作ったの〜』
「じゃ、失敗してんじゃねーよ、それホケンの意味ねーじゃん」
電話の向こうでの『うう〜』とかゆー、変な声がするから俺は笑ってしまった。
「まぁいーや。両方持ってきてよ、喰うからさ」
『解った〜、一馬ちゃんはお風呂〜?』
「うん」
『解った〜、後でね〜』
電話は取り合えず洗面台において浴室に入る。24時間風呂とか云うやつだからめんどくさくなくて良い。俺は練習後あっちでシャワー浴びても、こうやって家に帰って湯船につからないと汚れが落ちた気がしない。
がしがし頭洗ってたら、玄関のドアの空気を締め出すような音が聞こえた。が来たんだろう、あいつはウチの鍵持ってるから。
はいわゆる幼馴染ってやつなんだと思う。俺には何が可笑しいのか解んねーんだけど、何故か結人も英士もニヤニヤしながら、お前らみたいのをそう云うんだって云うから、きっとそうなんだろう。
小学校低学年の間は、俺はほとんどの家で過ごした。母親同士が仲が良かったから年中預けられてた。高学年になってからはさすがにの家に泊まることはなくなったけど、いっつもメシを喰わせてもらって。
中学は俺が都立のとこに行ったけど、は私立のお嬢さん学校に通ってる。俺はクラブの方だけでサッカーやるつもりだったから、どうせ学校の奴らなんかとつるむ気ないからどうでも良かったし。まぁ、小学校ほど馬鹿ばっかじゃなくって、あいつらほどじゃないけどそこそこ話をする友達は出来た。
そいつらがの通うガッコはイイとか騒いでるから、知り合いが通ってるって云ったら紹介しろとか云い出しやがった。あんなヤルことしか考えてなさそうな奴らに誰が紹介なんかするか、バーカ。何か腹立って、それを2人に話したら「それは嫉妬って云うんだよ?」なんてまたニヤニヤしながらぬかしてたっけ。
のことを俺が話すと結人も英士も決まってニヤニヤする。ヤメロって云っても止めなくてムカツク。
泡を流すと俺は湯船に沈んだ。顔をバシャバシャやって、う〜って手足を伸ばす。親父くさかろーが気にするもんか、気持ちいいもんは気持ちんだ。
学校には彼女つくろうと必死になってる奴らが居る。
そいつらを見て俺は馬鹿じゃねーのっていっつも思ってた。俺にはサッカーあるし、そんな下らない事には興味ないって。
今でもそう思う。
でも、もしかして俺にはが居るからそう思うのかもしれないことに気がついた。
家は東京都のセキュリティ完備の一軒家。自動食器洗い機に全自動洗濯機。DVDに大画面テレビ。床暖房で一年中快適。掃除は週に3回ハウスキーピングの人が勝手にやってくれる。
きっと俺は恵まれてる。
でもおかえりを云ってくれるような人は居ない。
以外、居ない。
前はクラブで帰りの遅い俺をは待っててくれて、一緒におばさんが作ったのを食べた。最近じゃ料理が趣味だっていってが作ったのをわざわざ持ってきてくれる。時々スゲーヤバイもん作るけど、アイツの作ってくれるメシが俺は好き。だって、それは俺のために作ってくれたもんなんだぜ。
俺はきっとに甘えてる。
はかわいい。
一緒だった小学校の時から結構もててた。反対に嫌われもんの俺なんかにくっついてなきゃいいのに、あいつだけは人の目なんか全然気にせず話し掛けてきた。バレエやってるから他の女子より手足が細くて長くて。ちっちゃい顔の中で半月みたいな目だけがでかい。ふにゃ〜って溶けるみたいに笑う。
結人と英士が家に来てに会った時、想像と違うと云われた。もっとしっかりしてそうな娘だと思ってた、って。「一馬、イライラしそうじゃん」って結人が云ってたけど、俺、がどんなにのろのろ喋ってもむかついたことなんか無かった。あののろのろした喋り方はちっちゃい頃から変わらないし。その後また結人がニヤニヤしながら「愛の力はすごいよね〜」とかほざくから、やってたプレステのコントローラーの握りでぶってやった。何か本気で涙流してたから相当痛かったのかも。そういえば謝ってない。
ずっと一緒にいた。
俺はアイツのためなら何だってしてやりたい。
好きかって訊かれたら当然のように好きだって云える。
大事かって訊かれれば当り前のように大事だって云える。
…でも、どうしたいのか、わからねー。
付き合うって何なんだ?
一緒に居るだけだったら今のままでも十分なはずだろ?
エッチなことするってことか?
したくねーなんていうのは全然嘘だけど、そういうことをする許可みたいに彼氏彼女って云う肩書きを交換し合うなんか俺は絶対嫌だ。
だから俺はあいつに何も云ってない。
あいつも何も云わねーしさ。
…………でも、ほんとは心の隅で俺って卑怯もん?って思ってる。
でもしょうがねーじゃん。俺だって困ってんだぜ。
あー…わかんねぇよなー……。
ぼうっとしてたら突然きぃって蝶番が軋む音がしたから、俺は超ビビった。
「一馬ちゃ〜ん、髪、洗った〜?」
曇りガラスにのシルエットが映る。何だ、かよ。安堵して胸を押えてみると、みっともねぇぐらい動悸が速くなってるし。
「もう洗った、今湯船。何、メシ?」
「ちがう〜。あのね〜、髪の毛洗ってあげる〜」
……はぁ?
何だ、それ?
って時々ワケわかんねーんだよな。
「何云ってんの、お前?だからもう洗ったって」
「だめ〜。洗ってあげるの〜。開けるよ〜」
シルエットが腕が扉のノブの位置と重なる。
俺はマジ焦った。
お湯が跳ねて大量に零れた。
、ヤメロ!開けんじゃねェ!」
絶叫してるのに、あっさり無視して横にスライドしてく。慌てて俺は置いてあった入浴剤を掴むとそれを逆さにして湯にぶちこんだ。
…ほんとに入ってきやがった、コイツ。
信じらんねェ……。
バスタオル巻いた姿で、全然いつもどうりの顔してやがる。
俺の葛藤ってなんなんだよ。今だって見ちゃ駄目だって思ったのに、しっかりチェック入れてる自分に罪悪感感じたりしたのにさ、馬鹿みてぇじゃん。
「ねぇ〜、一馬ちゃん、それいつまで入れるの?」
が俺の手元を見ながら首を傾げる。
げ。
結構入ってたはずなのに、ほとんどカラになってる。
胸元を見下ろすとお湯はピンクに濁って、おまけに気味の悪い白い泡が立っている。けどまぁ、まったくの不透明になっていて、ひとまず俺は安心した。でも、よりによってピンク色になったお湯にげんなりする。すっげー甘ったるい匂いもするし。容器のラベルを見てみたら桃の入浴剤だった。何となく余計気が滅入る。
「…お前何考えてんだよ」
首まで湯船につかりなおしながらを睨む。溶けなかった分がケツの下でざりざりして気持ちワリィ。
がにこぉ〜って笑う。
「あのね〜、今日学校で人に髪洗ってもらうと気持ちいよね〜って話になって〜、一馬ちゃんの髪洗ってあげようと思ったの〜」
「いらない。もう洗った。出てけ」
「ダメ〜」
……なんかさぁ、俺の親しい奴って揃いも揃って俺がスッゲー怒っても一向に通じないのは何で?
「だってわざわざ準備してきたんだよ〜。ほら〜」
「…っば!!」
がバスタオルを取った。
一瞬にして俺の脳みその中で「男なら見るな!」と「男なら見とけ!」って論争が巻き起こる。結局前頭葉が下した決定は本能に忠実に生きようって非常に男らしいものだ。
でも、その下は水着だった…。
前プール行った時にきてたやつだ。ベアトップとかいってた、肩紐無いやつ。だから何にも下に着てねーのかと思ったんだよ、クソっ。
云うなれば美味しいと思って口に入れたものがとんでもなく不味かったようなものだ。
期待の分だけ落胆はデカイ。
「……下着てるなら、そのバスタオルはなんだったんだよ?」
イヤガラセか?
「え〜、だって〜、お風呂にいきなり水着で来たら変でしょ〜?」
…駄目だ。この顔は本気でそう思ってる。
まぁ、プール行ったときはスカート付だったのが、今はそれはいてなくてビキニだし。良いもん見たといえば十分見た。
しつこいようだが、ただ期待が大きかっただけで。
が浴室のドアに寄りかかって、腕を伸ばしてバスタオルを脱衣所の籠に入れてる。なんか微妙に後姿がヤラシイ。というか、俺がスケベなだけか?
まぁ、いくらでも俺たちもう中2なんだから、ちょっと考えりゃすっぽんぽんで男の前に現れるわけねぇんだよな。
ちょっと自己嫌悪で溜息が出た。
、もうお前も出てけよ」
無事バスタオルを籠に入れたが振り返って、にっこりする。
「だから〜、頭洗ってあ〜げ〜る〜の〜」
だから人の話聞けよ。
……もう俺は一人芝居というか一人相撲というか…。
とにかく疲れた。早々にこいつを追い払おう。そしてカボチャコロッケを喰って寝よう。そう決めた。
「…解った」
「わ〜い」
俺は伸ばしてた足を縮めて洗い場の方の浴槽の壁に凭れて、頭をその縁に預けた。もうどうにでもしてくれといった感じだ。
が嬉しそうに鼻歌を歌いながら、俺の髪にシャワーを当て始める。
何がそんなに嬉いんだよ…。
俺はもはや諦観の心境で目を瞑ってされるがままになっていた。
の指が俺の髪を梳く。段々力が抜けて気持ちよくなってくる。
後頭部になんか軟らかい感触がする。椅子に座ってるのフトモモらしい。
よく考えたらこれって美味しいシチュエーションだよなぁ…。
好きな娘に髪洗ってもらってるんだもんなぁ…。
「リンスしたから、ちょっと待ってね〜」
半分寝てるような状態で俺はああとか適当に返事する。
「一馬ちゃんて〜」
夢心地の耳にの声。のろのろした喋り方がいつもより甘ったるく響く。
「筋肉質だったんだね〜。ケイン・コスギみたい〜」
縁に投げ出していた俺の右腕にいきなりは手を置くと、そのまま二の腕から首の付け根あたりまで撫で上げた。
瞬間背筋がざわっとなる。
肌が粟立って、お湯を跳ね飛ばし俺は思いっきり隅のほうに逃げた。
「あのなぁ!お前それセクハラだぞっ!」
情けねェ〜。俺絶対、今顔赤い。
がきょとんとした顔で俺を見てる。
「ちがうよ〜、セクハラは〜、オジサンが若い女の子にするものなんだから〜」
「やられた方がそうだと思ったらセクハラなんだよ!」
「そうなの〜?一馬ちゃん、物知り〜」
「………」
俺は無言でノズルを捻るとシャワーでリンスを流し始めた。「あ〜、やってあげる〜」って、俺からシャワーを奪い取ろうとする手を無視してすすぐ。
お湯を止めて顔を上げるとがムチャクチャ不満そうな表情でこっちを見てる。俺も水を含んで重くなった髪を掻きあげながらを睨む。
「ほら、早く出てけよ。もう用は済んだだろ」
が立ち上がる。
思わず安堵の溜息を吐く俺の視界に白いものが飛び込んできた。
ピンクの水面が揺れて俺の顎を濡らす。
「なっ…なっ……っ」
「な?」
どもる俺にが首を傾げる。
「何でお前が入ってくんだよ!」
「だって寒いんだもん」
俺と20センチも離れてない傍らでが平然とした顔してる。
ピンクのお湯からは滑らかな肩しか見えなくて、こうしてると何にも着てないように見える。
ってそうじゃネェだろ、バカ!
「だってじゃねェ!今すぐ出ろ!」
「ひ〜ど〜い〜。風邪引くよ〜。こんなに冷たくなっちゃってるのに〜」
このバカ女、俺の頬に自分の手の甲を押し当てようと腕を伸ばしてきやがった。
狭くなった浴槽で俺は何とかそれをかいくぐる。
「解った!解ったからそれ以上こっち来るな!」
とは反対側に背をこすりつけるようにして身体を丸める。
最悪だ。
神様、ボク何か悪いことしましたか?って気分だ。
つーか、いい加減出ねェと俺、のぼせそうなんだけど。コイツが居たら出れねェじゃん。マッパでの前横切れっていうのか?死んだ方がマシだ。
「底の方でいっぱい溶け残ってるよ〜」
がお湯をかき混ぜ始め、渦を巻くように水面が揺れる。この状況においては凶悪な雰囲気をかもしだすピンク色が水面下の動きを隠す。
そんな闇ナベ状態の中、の指が俺の爪先を掠め、俺は苛められてる小動物みたいにさらに足を縮こませた。
…………なんか俺のがよっぽど女の子みたいじゃねぇか。
「ね〜、このボタンはなに〜?」
俺がどんどんどんよりした気分になってんのに、相変わらずが呑気な声を出す。
ああ?って顔をのろのろ上げた時はもう遅かった。
「や〜っ!?ナニ、ナニ、これぇ〜!?」
「おまえなー!!」
の側のコーナーに設置されていた24時間給湯器。それのボタンをは押した。途端に給湯器から伸びているホースから泡が飛び出す。
「速くそこのボタン押せよ!そしたら止まるから!」
「どれどれどれ〜!?ワカンナイよ〜!」
は闇雲に強弱のボタンを押したりして、余計状況を悪化させる。
ああ、くそっ!
俺は舌打ちして、の後ろからおおいかぶさるようにして停止ボタンを押した。
2、3秒で泡は放出を完全に止めた。
騒がしかった浴室が静かになる。
ただ……。
俺は身体を引かなかった。
の背中が俺の胸に触れそうで触れてない距離。
迷った末に、結局俺はその名を呼んだ。

剥き出しの肩が震えるように強張る。
ゆっくり振り返った顔は、ほんの数分前とは違って酷く躊躇っているように俺の目に映った。
逆に俺は冷静になっていく。
恐がらせたいわけじゃない。
優しくしたいだけだから。
自分でも驚くほど自然に笑えて、俺はから少し離れる。
俺を見るの表情が僅かに緩む。俺はもう一回笑いかけた。今度はも笑った。
「………」
声には出さないで、たった二文字のその単語を口にする。
水の中から手を引き抜いて、の頬に添えた。乾いていた頬から雫が伝って、細い首を濡らしていく。
目を閉じたに俺はくちづけた。






押し付けた唇をゆっくり離すと、柔らかな弾力で元に戻っていく。
はまだ目を瞑っている。頬から手を外すと、やっと瞳を開ける。俺と視線が合うといつもみたいに溶けるように微笑む。
「大好き」
一言だけが云う。
他の奴に云われたことがある。昔に云われたことだってある。
なのに大発見をしたような興奮が俺を貫いた。
さっきなんかの比じゃない、ムチャクチャ動悸が早くなって、全身を血が駆け巡る。
細胞一個一個が喝采を叫んでる、そんな感じ。
俺はこいつを愛してる。
いっそ暴力的なぐらいの勢いでその思いが身体中に充満した。
でも、だから今はこれ以上何もしない。きっと後悔する。
こいつに酷い事をしそうな予感がする。
たぶんはそのやわらかい身体を痛いぐらい抱きしめても、乱暴に扱っても許してくれる。そういうやつだ。
でもそんなのは俺が嫌だった。
ピンクに濁った水の中で拳をぎゅって握って。
ぎこちなくても何とか俺は笑ってみる。
。腹へったからメシ喰いたい」
一瞬きょとんとして、はうんって頷いた。俺はお湯から出て行くしなやかな身体から目を逸らす。
脱衣所からその気配が消えるまで待って、俺は浴槽の縁に頭を落とした。
静かになった浴室にごんって音が響く。
でもそのくらいの痛みが今の俺にはちょうど良かったんだ。






瀕死の状態でダイニングに入るともうテーブルには夕食が整っていた。
は人の気も知らないで「遅かったね〜」とか云ってる。お前の所為でイロイロ大変だったとは云うまい。男の事情なんかコイツには一生わかんねーだろうし。
首にタオルを引っ掛けて冷蔵庫を開ける。が入れておいてくれた、さっきコンビニで買ってきた1.5リットルのQooのリンゴ味を出すと俺はそれに直接口をつける。
そうやってラッパ飲みしたままふと横目で皿を見て俺は一瞬呆然となった。口の端からリンゴジュースがたれる。
コロッケ、ハート型してた。
おまけにケチャップで「かずまちゃん スキ」とか書いてあるし。
あまりの乙女チックさに鳥肌が立った。
でも、まぁ。
はスゲー可愛く笑ってるし。
まぁ、いーや。